第4回WBCに出場する注目選手の成績や特徴などをまとめています。
今回は悲願の初優勝を目指すアメリカです。
WBCでの戦績
2006年:二次ラウンド敗退
2009年:ベスト4
2013年:二次ラウンド敗退
出場選手紹介
各選手の紹介は次の通りです。
・選手名
・成績(2016年/通算)
・所属
・ポジション/投打
・主要国際大会出場歴
・特徴
先発
クリス・アーチャー
9勝19敗 防御率4.02 201.1回 233三振 WHIP1.24
通算
128登板 41勝51敗 防御率3.51 WHIP1.20
タンパベイ・レイズ
先発/右投右打
昨シーズンの最多敗戦投手。しかし成績ほど投球内容は悪くはなく、シーズン通して先発した。
150km/h以上の速球にスライダーを投げ、イニング以上の三振を奪う。
ターナー・ロアーク
16勝10敗 防御率2.83 210回 172三振 WHIP1.17
通算
119登板 42勝28敗1S 防御率3.10 WHIP1.15
ワシントン・ナショナルズ
先発/右投右打
先発も中継ぎもこなせる投手。
昨シーズンは1試合を除いて先発し、好成績を残した。
平均148km/hの速球(主にツーシーム)を中心にスライダー、カーブ、チェンジアップをバランスよく投じる。
マーカス・ストローマン
9勝10敗 防御率4.37 204回 166三振 WHIP1.29
通算
62登板 24勝16敗1S 防御率3.91 WHIP1.22
トロント・ブルージェイズ
先発/右投右打
メジャー4年目の若手投手。
昨シーズンは初めてフルシーズン通して投げ、200イニングをクリアした。
球種は平均148km/hの高速シンカーを中心にフォーシーム、カッター、スライダー、スラーブ、チェンジアップと豊富。
ダニー・ダフィー
42登板 12勝3敗 防御率3.51 179.2回 188三振 WHIP1.14
通算
134登板 36勝33敗1S 防御率3.71 WHIP1.30
カンザスシティ・ロイヤルズ
先発リリーフ/左投左打
毎年、先発を中心にリリーフもこなす万能投手。
150km中盤の速球を中心にカーブとチェンジアップを決め球とする。
サム・ダイソン
73登板 3勝2敗38S 防御率2.43 70.1回 55三振 WHIP 1.22
通算
186登板 11勝9敗40S 防御率2.93 WHIP1.28
テキサス・レンジャース
クローザー/右投右打
昨シーズンはクローザーに定着し、大活躍を見せた。
最速99.8マイル(約160km/h)、平均95マイル(約153km/h)の速球(シンカー・フォーシーム)を中心に決め球のチェンジアップ、その他にスラーブ・スライダーなどを投じる。
クローザーとしては珍しく奪三振率は高くなく、シンカーなどでゴロを打たせる投球スタイル。
ネイト・ジョーンズ
71登板 5勝3敗3S 防御率2.29 70.2回 80奪三振 WHIP0.89
通算
227登板 19勝10敗3S 防御率3.16 WHIP1.17
シカゴ・ホワイトソックス
リリーフ/右投右打
チーム1位の71試合に登板し、リーグトップの28ホールドを記録するなど活躍した。
150km/h中盤から後半の速球を投げる剛腕投手で2012年には最速101.1マイル(約162km/h)を記録したこともある。
決め球にスライダーを投げ、他の球種として稀にチェンジアップとカーブを投じる。
ルーク・グレガーソン
4勝3敗15S 防御率3.28 59回 67三振 WHIP0.97
通算
499登板 29勝30敗50S 防御率2.79 WHIP1.06
ヒューストン・アストロズ
リリーフ/右投右打
2013年WBC
デビュー以降、毎年多くの試合に登板している鉄腕。
平均89.3マイル(約143km/h)の速球系のボールと同じぐらいスライダーは一級品で被打率は毎年低く、今シーズンは.130、通算でも.175と抑え込んでいる。
マイケル・ギブンズ
66登板 8勝2敗 防御率3.13 74.2回 91三振 WHIP1.27
通算
88登板 10勝2敗 防御率2.75 WHIP1.16
ボルティモア・オリオールズ
リリーフ/右投右打
一昨年デビューした若手投手で奪三振率が非常に高く、2年連続で11点台中盤を記録した。
サイドスローから最速98.1マイル(約158km/h)、平均94マイル(約151km/h)のフォーシームとスライダーが投球の中心。チェンジアップも投げる。
タイラー・クリッパード
69登板 4勝6敗3S 防御率3.57 63回 72三振 WHIP1.27
通算
558登板 46勝35敗56S 防御率2.95 WHIP1.11
アリゾナ・ダイヤモンドバックス
リリーフ/右投右打
2010年以降、最低でも69試合以上に登板している鉄腕。
真上から投げおろしてくるフォームから、145km/h前後のフォーシームと決め球のフォーク・チェンジアップを投じる。カーブも投げる。
バット・ニーシェック
60登板 2勝2敗 防御率3.06 47.0回 43奪三振 WHIP0.94
通算
423登板 28勝19敗7S 防御率2.93 WHIP1.05
ヒューストン・アストロズ
リリーフ/右投右打
36歳のベテランでアメリカでは珍しい変則的なサイドスローの投手。
球種はスライダー、シンカー、チェンジアップの3種類。主に先の2球種を投じる。
ジェイク・マギー
57登板 2勝3敗15S 防御率4.73 45.2回 38三振 WHIP1.58
通算
354登板 23勝14敗41S 防御率3.07 WHIP1.10
コロラド・ロッキーズ
リリーフ/左投左打
直近2年は安定した投球をしていたが、昨シーズンは安定感に欠け、防御率は自己ワーストだった。
150km/h前後の速球を主体にスライダーカーブを投じる。
アンドリュー・ミラー
10勝1敗12S 防御率1.45 74.1回 123三振 WHIP0.69
通算
389登板 43勝31敗49S 防御率4.22 WHIP1.39
クリーブランド・インディアンス
クローザー/左投左打
もともと先発で投げていたが、思うように成績が残せずリリーフに転向すると投球が見違えり圧巻の成績を残すようになった。
昨シーズンはセットアッパーにクローザーとフル回転した左腕。ポストシーズンでも大活躍し、リーグチャンピオンシップシリーズMVPを受賞した。
150㎞/hを超える速球に鋭く曲がるスライダーを投げ、イニングをはるかに上回る三振を奪う。
デビット・ロバートソン
62登板 5勝3敗37S 防御率3.47 62.1回 75三振 WHIP1.36
通算
524登板 36勝27敗118S 防御率2.97 WHIP1.20
シカゴ・ホワイトソックス
クローザー/右投右打
ヤンキースでセットアッパーを中心に活躍した後、ホワイトソックスに移籍しクローザーを任されている。
昨シーズンはコントロールを大幅に乱し、これまでよりも安定感に欠ける投球内容だった。
M.リベラ譲りの150km/h前後のカッターを中心に決め球のナックルカーブを投じる。割合こそ少ないが、フォーシームとチェンジアップも投じる。
マーク・メランソン
75登板 2勝2敗47S 防御率1.64 71.1回 65三振 WHIP0.90
通算
444登板 21勝18敗168S 防御率2.60 WHIP1.04
サンフランシスコ・ジャイアンツ
クローザー/右投右打
メジャーに定着した2011年以降は、2012年を除いて毎年70試合以上に登板している鉄腕クローザー。
コントロールが抜群に良く安定感があり、クローザーにしては三振が少なく打たせて取るピッチングスタイル。
予備投手枠に登録されており、決勝ラウンドから代表に合流した。
150km/h前後のカッターがピッチングの中心で決め球としてナックルカーブを投げる。
野手
バスター・ポージー
.288 14本 80打点 5盗塁 OPS.796
通算
.307 1005安打 116本 527打点 OPS.848
サンフランシスコ・ジャイアンツ
捕手、一塁手/右投右打
捕手として類まれな打撃力を持つ2012年のMVP。
守備面でも評価が高く、盗塁阻止率は毎年30%以上を継続している。
時折守るファーストの守備も評価が高い。
ジョナサン・ルクロイ
.292 24本 81打点 5盗塁 OPS.855
通算
.284 848安打 90本 418打点 OPS.784
テキサス・レンジャース
捕手/右投右打
捕手として優れた打撃を持つ。
捕手としても超一流で、特にキャッチングが素晴らしい。
ポール・ゴールドシュミット
.297 24本 95打点 32盗塁 OPS.899
通算
.299 844安打 140本 507打点 OPS.924
アリゾナ・ダイヤモンドバックス
一塁手/右投右打
メジャートップクラスの強打者の一人。
昨シーズンは本塁打こそ減少したものの、選球眼が非常に高く110四球を選んだ。
また一塁手にしては非常に珍しく、走れる選手であり昨シーズンはキャリアハイの盗塁数を記録した。
守備面での評価も非常に高く、走攻守ハイレベルにそろった選手。
エリック・ホズマー
.266 25本 104打点 5盗塁 OPS.761
通算
.277 940安打 102本 472打点 OPS.763
カンザスシティ・ロイヤルズ
一塁手/左投左打
2013年WBC
毎年、まずまずの数字を残すが一塁手としてはやや物足りない印象もある。
一塁の守備は評価が高く、昨年までゴールドグラブ賞を3年連続受賞している。
イアン・キンズラー
.288 28本 83打点 14盗塁 OPS.831
通算
.277 1696安打 212本 787打点 OPS.795
デトロイト・タイガース
二塁手/右投右打
長打力を兼ね備えた一番打者。
走塁や守備面での評価も高く、3拍子揃った選手。
昨シーズンは通算200本塁打、200盗塁を同時に達成した。
ダニエル・マーフィー
.347 25本 104打点 5盗塁 OPS.985
通算
.296 1151安打 87本 506打点 OPS.786
ワシントン・ナショナルズ
二塁手・一塁手・三塁手/右投左打
2015年のポストシーズンでは歴代2位タイの7本塁打を記録した。
昨シーズンはその打撃を維持し、これまでより大きく成績を伸ばし、二塁打数、長打率、OPSではリーグ1位を記録した。
ジョシュ・ハリソン
.283 4本 59打点 19盗塁 OPS.699
通算
.284 555安打 28本 185打点 OPS.726
ピッツバーグ・パイレーツ
二塁手・三塁手/右投右打
カーペンターの代役として招集された選手。
身長は173cmと非常に小柄だが、走攻守ともに一定以上の能力を持った選手。
しかしホームランは少なく、また早打ちのため出塁率も低い。
ノーラン・アレナド
.294 41本 133打点 2盗塁 OPS.932
通算
.285 613安打 111本 376打点 OPS.851
コロラド・ロッキーズ
三塁手/右投右打
2年連続41本塁打以上、130打点以上で2冠王のメジャーを代表する若手選手。
また四年連続ゴールドグラブを受賞している三塁の守備も非常に評価が高い。
マット・カーペンター 出場辞退
.271 21本 68打点 OPS.885
通算
.284 733安打 74本 335打点 OPS.838
セントルイス・カージナルス
三塁手・二塁手・一塁手/右投左打
選球眼の良い打者で、毎年.365以上の高い出塁率を記録している。
守備面での評価も高く、内野の複数ポジションをこなす。
目立たないながらも完成されている選手。
今大会は腰の張りのため出場辞退が発表された。
ブランドン・クロフォード
.275 12本 84打点 7盗塁 OPS.772
通算
.246 523安打 47本 262打点 OPS.696
サンフランシスコ・ジャイアンツ
遊撃手/右投左打
2年連続ゴールドグラブ賞を受賞している、守備の評価が高い選手。
近年、打撃面での成長も著しく、ショートとして優れた打撃力を持つ。
昨シーズンは、マーリンズ戦で延長14回の試合で史上初5人目の一試合7安打を放った。
アレックス・ブレグマン
.264 8本 34打点 2盗塁 OPS.791
ヒューストン・アストロズ
三塁手・遊撃手/右投右打
昨シーズン2Aで開幕するも1年でメジャーデビューを果たした期待の22歳の若手。
クリスチャン・イエリッチ
.298 21本 98打点 9盗塁 OPS.859
通算
.293 549安打 41本 212打点 OPS.798
マイアミ・マーリンズ
外野手(左翼手、中堅手)/右投左打
巧打と長打を兼ね備えた選手でチームでは4番を打つこともあった。
母方の祖母が日本人であり、日系3世である。一時期日本代表での出場も噂されたがアメリカ代表としての出場となった。
アンドリュー・マカッチェン
.256 24本 79打点 6盗塁 OPS.766
通算
.292 1304安打 175本 637打点 OPS.869
ピッツバーグ・パイレーツ
外野手(中堅手)/右投右打
パイレーツ一筋の走攻守揃った選手で2013年のナ・リーグNVP。
一昨年までまで4年連続で打率3割前後、出塁率4割強を記録していたが昨シーズンは不本意な成績であった。
また盗塁も減少しており、キャリアハイは33盗塁であったが大幅に減った。
アダム・ジョーンズ
.265 29本 86打点 2盗塁 OPS.746
通算
.277 1480安打 225本 742打点 OPS.777
ボルティモア・オリオールズ
外野手(中堅手)/右投右打
2013年WBC
打撃面では例年打率.280前後、30本前後のホームランを放つ。
守備面での評価が高い選手であるが、昨シーズンは急激に劣化したといわれた。
ジャンカルロ・スタントン
.240 27本 74打点 OPS.815
通算
.266 792安打 208本 540打点 OPS.896
マイアミ・マーリンズ
外野手(右翼手)/右投右打
2013年WBC
メジャー屈指の長打力を誇り、特大ホームランを何本も放つ。
一方、三振も多く昨シーズンは140三振を喫した。
故障がちであるのが難点で、昨シーズンも119試合の出場にとどまった。
監督
ジム・リーランド
最優秀監督を3度受賞している名称。
2013年を最後に監督業から離れている。
二次ラウンドドミニカ戦オーダー
1(二)イアン・キンズラー
2(中)アダム・ジョーンズ
3(左)クリスチャン・イエリッチ
4(三)ノーラン・アレナド
5(一)エリック・ホズマ―
6(右)アンドリュー・マカッチェン
7(遊)ブランドン・クロフォード
8(DH)ジャンカルロ・スタントン
9(捕)ジョナサン・ルクロイ
戦力分析
投手陣
先発陣はやや弱い印象もあるが、それでも実績のある投手が揃っている。
リリーフ陣はミラーやロバートソンなどメジャーを代表するセットアッパー、クローザーが出そろい、臨機応変な継投策を可能とする。
野手陣
メジャーを代表する選手が各ポジションに選ばれており、攻撃だけでなく守備力も高い陣容となっている。
総合評価
今大会は例年に増して、投手の層が厚くなった印象でドミニカと並び優勝候補の筆頭である。
これまでのWBCではアメリカは結果を残せていないので、今大会では底力を期待したい。